「だって、現実はゲームみたいに思い通りにいかないじゃないか・・」

こんにちは。フジサトです。

 

今日は、先日書いた「フジサト君、君は今まで食べたパンの枚数を覚えているのかい?」の続きです。

 

 

【都内のレストラン 昼どき】

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

2人でランチに来ているにもかかわらず、スマホゲームに夢中で全くしゃべろうとしない先輩に対抗し、僕も英語の参考書を読むことにしました。はたからみると、無言で向かいあってランチを食べる不気味なアラフォー男の2人組です。

 

最初のうちは僕も隙を見て話しかけていましたが、だんだん馬鹿らしくなり、当時、会社が受験を奨励していたTOEICの勉強にあてることにしました。「先輩が必死でゲームの得点をあげている間に、こっちはTOEICで高得点を叩き出して人事評価をあげてやるぜ!」という腹黒い魂胆でした。

 

それでも、先輩はたまに思い出したかのように顔をあげて「フジサト君、モンハンの件、考えてくれた?どうしても一人じゃ倒せないんだよ」などと言ってきます。当時、先輩は帰宅後に「モンスターハンター」をプレイしていて、ゲームを有利に進めるために僕を仲間に引き込もうとしていました。

 

ゲーム音痴の僕は「何故、一日中、先輩のゲームに付き合わなければいけない?」との思いから断固拒否。先輩が勧誘しては僕が断るといったことが毎日のようにくりかえされていました。

 

当然その日も「家では英語の勉強しますんで」とそっけなく断ったのですが、ふと、普段から思っていたけどなかなか聞けなかった疑問を口にしてみたくなりました。

 

「それ、モンスターをひたすら狩るってゲームですよね?」

 

「そうだよ。メチャクチャおもしろいよ!」

 

「でも、いくらモンスターをやっつけたからって、現実の世界でスキルが上がるわけじゃないのに、どうしてそんなに時間を費やせるんですか?」

 

僕の無慈悲で無神経な一言に、先輩は一瞬絶句しました。そして、寂しそうにこう呟きました。

 

「だって、現実はゲームみたいに思い通りにいかないじゃないか・・」

 

ハッとさせられました。そうだ・・現実はぜんぜん思い通りにいかない・・先輩の言うとおりだ。僕らは毎日、うまくいかない仕事を抱えて悪戦苦闘し、お互い励ましあって、愚痴を言い合って、この冴えない会社人生の中になんとか光を見い出そうとしてきたのに・・。僕は仲の良さに甘えて酷いことを言ってしまったと心底反省しました。

 

「そ、そうですよね。その通りですよね。ゲームのなかぐらいスカッと豪快にいきたいですよね!」

 

僕の言葉に、急速に元気を取り戻し始めた先輩は

 

「でしょ?そうでしょ?それじゃあ「やりませんよ」

 

先輩のことをよく知る僕は、ここではっきりさせておかないと、あとあと面倒になるとの直感から、食い気味に完全否定しました。再びしょんぼりしている先輩を見て、少し気の毒に思いましたが、仕方ありません。僕には僕の人生設計があります。先輩のゲームのなかでも思い通りにいかない日々は、その後もしばらく続きました。

 

後記

今回もお金とはあまり関係のない話になってしまいましたが、先輩の言葉は合理性ばかりを追及していた当時の僕には深くささり大変反省させられたので、書こうと思いました。確かに、合理的に行動することでお金は貯まりやすくなりますが、行き過ぎると生活を味気のないものにもしてしまいます。貯金の代わりにつまらない人生を送るなんて本末転倒ですよね。結局、楽しんだもの勝ちなのですから。